





麺手帖ガイド
食べ歩きの記録から見る、ラーメン10ジャンル
醤油、塩、味噌、豚骨、家系、二郎系、つけ麺など。これまで食べたラーメンの写真を見比べながら、10ジャンルの特徴と、注文で迷いやすいことを紹介します。
食べてきたラーメンを、ジャンルごとに振り返る
私は2019年から、各地で食べたラーメンや麺料理を「麺手帖」に記録してきました。
醤油、塩、豚骨、家系、つけ麺。名前はよく知っていても、写真を並べてみると、同じジャンルの中にも違いがあります。
この記事では、食べ歩きの記録と写真・動画をもとに、10ジャンルの特徴を紹介します。家系のお好みや二郎系のコールなど、注文で迷いやすいこともまとめました。
ランキングではなく、次に食べに行く店を選ぶときの参考になればうれしいです。
目次
ラーメン10ジャンル早見表
醤油は味付け、豚骨はだしの素材、つけ麺は食べ方。ラーメンの呼び名には、いくつかの分け方が混ざっています。家系や二郎系のように、特定の店を源流とする呼び名もあります。[1]
ひとつのラーメンが、いくつかのジャンルに当てはまることもあります。例えば魚介豚骨は、豚骨スープに煮干しや鰹節などの魚介を合わせたものです。
この記事では、食べたいラーメンを探しやすいように10ジャンルに分けました。
| ジャンル | 特徴 | 注文の難しさ |
|---|---|---|
| 醤油・中華そば | 醤油だれで味付け。だしや見た目はさまざま | |
| 塩 | 塩のたれで味付け。だしの個性が表れやすい | |
| 味噌 | 味噌のコクが特徴。札幌の味噌ラーメンがよく知られる | |
| 豚骨 | 豚骨から取ったスープ。博多ラーメンが代表例 | |
| 魚介・煮干し | 貝、鰹、鯛、煮干しなど、素材によってさまざま | |
| 鶏白湯 | 鶏を炊き出した白濁スープ。濃厚なものも多い | |
| 家系 | 横浜発祥の豚骨醤油。麺・味・油を好みで選べる店も | |
| つけ麺 | 麺とつけ汁を別々に提供。麺をつけて食べる | |
| まぜそば・油そば | 汁が少ない、またはない麺料理。たれと具を混ぜて食べる | |
| 二郎系 | 太麺で量が多い。無料トッピングと独特の注文方法 |
星は、注文で迷いやすいかどうかの目安
おいしさの評価ではありません。初めてその店を訪れたとき、注文の流れにどのくらい戸惑いそうかを、大まかに示しています。
- ★☆☆☆☆:注文しやすい
- ★★☆☆☆:替え玉など、知っておくと便利な仕組みがある
- ★★★☆☆:麺の硬さなど、好みを選ぶことがある
- ★★★★★:その店の注文方法を先に確認しておきたい
醤油・中華そば:同じ醤油でも、だしで変わる
注文の難しさ:
醤油ラーメンは、昔ながらのラーメンとして思い浮かべる人も多いと思います。「中華そば」も、多くの場合は醤油ラーメンと同じものを指しています。
茶色いスープにチャーシュー、メンマ、ねぎをのせたものから、鶏や魚介を使った現代的なものまで、味も見た目もさまざまです。
私が食べた横浜・伊勢佐木長者町の「中華蕎麦 時雨 伊勢佐木長者町本店」の中華蕎麦は、鶏だしと醤油の組み合わせ。東京・池袋の「人類みな麺類とエスサワダ」の macro Sawada は、貝だしに醤油を合わせています。
同じ醤油ラーメンでも、だしの違いで味わいは変わります。
塩:スープの色だけでは、味の濃さはわからない
注文の難しさ:
塩ラーメンは、塩をベースにしたたれで味を調えます。澄んだスープも多く、鶏や魚介などのだしがよく感じられますが、色が薄いからといって味まであっさりしているとは限りません。
東京・浅草橋の「饗 くろ㐂」で食べた塩そばは、澄んだスープにだしの持ち味が表れています。下北沢の「純手打ち 麺と未来」の特製塩らーめんは、手打ち麺も盛り付けも、くろ㐂とは違った印象でした。
麺や具もメニューによって結構幅があります。
味噌:札幌と山形のラーメンを見比べる
豚骨:博多ラーメンだけではない
注文の難しさ:
豚骨ラーメンは、豚の骨から取ったスープを使います。福岡の博多ラーメンが一番有名でしょう。[1]
博多ラーメンといえば、細いストレート麺と豚骨スープ。福岡・天神の「博多らーめん ShinShin 天神本店」で、博多ShinShinらーめんを食べました。[2]
大阪・北新地で食べた「豚そば 月や 北新地店」の豚そばは、比較的澄んだ淡い色のスープに、薄切りの豚肉を合わせています。
豚骨スープとひとことでいっても、白濁したものから澄んだものまであります。写真を見比べると、その幅がよくわかります。
替え玉を頼むなら、スープを残しておく
博多ラーメンでよく見られる替え玉は、残ったスープに追加の麺を入れて食べる仕組みです。頼むつもりなら、最初の麺を食べている間にスープを飲み切らないようにしておくとよいです。[3]
魚介・煮干し:煮干しや鯛、使う素材で味が変わる
注文の難しさ:
魚介系のだしには、貝、鰹、鯛、煮干しなど、さまざまな素材が使われます。鶏や豚などの動物系スープと合わせることも多く、「魚介系」という名前だけでは味をひとつに絞れません。
魚介系の中でも、特に人気があるのが煮干しラーメンです。煮干しラーメンだけでも、香りや旨味を穏やかに効かせたものから、煮干しを強く感じるものまでさまざまです。
東京・蒲田の「NIBOSHIMANIA」で食べたブリブリモジャ・ドニポプレッソは、店名どおり煮干しが主役。かなり濃いエスプレッソのような煮干しスープが特徴でした。
鯛をベースにしたラーメンなんていうものもあります。東京・板橋の「鯛塩そば 縁」の鯛塩濃厚そばは、鯛の風味がしっかりありながら、どこか洋風のスープを思わせる味わいで、ぷりっとした麺が合っていました。ちょっとパスタっぽい感じすらするラーメンです。
鶏白湯:白く濁った、濃厚な鶏のスープ
注文の難しさ:
鶏白湯は、鶏を炊き出して白濁させたスープです。濃厚でクリーミーなものも多く、見た目だけでは豚骨スープに似ていることもあります。
東京・神楽坂の「鶏soba座銀 神楽坂店」で食べた鶏soba並は、豚骨スープに似た見た目でも、鶏からだしを取ったスープで、しっかりと鶏の旨みが感じられます。
浅草の「東京 鶏白湯ラーメン ゆきかげ 浅草本店」では、鶏POTAそばを食べました。写真を並べると、スープの色合いやトッピングにも違いがあります。
家系:迷ったら「全部普通で」
注文の難しさ:
家系ラーメンは横浜で生まれました。豚骨醤油スープに太めのストレート麺、海苔やほうれん草が代表的な特徴です。現在は横浜・岡野にある「吉村家」が、発祥の店とされています。[4][13]
家系は癖になる味で、何度も食べてしまうラーメンです。
横浜・白楽の「末廣家」で食べたラーメンは、チャーシューがとにかくおいしかったのが印象に残っています。東京・秋葉原の「秋葉原ラーメン わいず」ののり玉ラーメンも、燻製チャーシューがおいしい。しょっちゅうリピートしてます。
麺の硬さ・味の濃さ・油の量を選ぶ
家系では、食券を渡すときに麺の硬さ、味の濃さ、油の量を聞かれることがあります。選択肢や聞かれ方は店によって異なります。[5]
| 項目 | よくある選択肢 |
|---|---|
| 麺の硬さ | 硬め・普通・柔らかめ |
| 味の濃さ | 濃いめ・普通・薄め |
| 油の量 | 多め・普通・少なめ |
食べてみてから、次は麺を硬めにする、油を少なくする、と調整できます。
家系にはライスもよく合います。スープを含ませた海苔でご飯を食べたり、途中で卓上のニンニクを加えたりする楽しみ方もあります。
つけ麺:つけ汁だけでなく、麺も楽しむ
注文の難しさ:
つけ麺は、麺とつけ汁が別々の器で出てきます。麺を少しずつ取り、つけ汁につけて食べます。[1]
東京・東長崎の「カネキッチンヌードル」で食べた昆布水のつけめん 塩は、麺が昆布水に浸かっています。
東京・秋葉原の「麺処ほん田 秋葉原本店」で食べた塩つけでは、つけ汁につけるほか、塩やすだちで麺を味わう食べ方も案内されました。つけ汁だけでなく、塩やすだちで食べると、麺の味や食感も楽しめます。
食後に楽しむスープ割り
麺を食べ終えたあと、残ったつけ汁にだしなどを加える「スープ割り」を頼める店もあります。麺に絡むように濃く作られたつけ汁が、飲みやすい濃さになり、香りや味わいも変わります。[12]
店員さんが器を預かって注いでくれる店もあれば、ポットから自分で注ぐ店もあります。すべての店にあるわけではないので、案内を確認してみてください。
まぜそば・油そば:まずは、よく混ぜて
注文の難しさ:
まぜそばや油そばは、たっぷりのスープに麺が浸かったラーメンとは違い、麺にたれや油、具を混ぜ合わせて食べます。まぜそばは汁なしラーメンの一種としても考えるといいでしょう。[1]
油そばは、丼の底の油とたれを麺に絡めるスタイル。まぜそばと油そばは、店によって呼び分け方もさまざまですが、どちらもまず麺とたれ、具をよく混ぜて食べます。
台湾まぜそばは、ひき肉、ニラ、ニンニク、卵などをのせた、味のはっきりしたまぜそばです。名前に「台湾」とありますが、発祥は名古屋です。[11]
東京・大山の「元祖まぐろラーメン 大山店」で食べた黒丸油そばは、比較的定番に近いタイプ。東京・秋葉原の「麺屋はるか 秋葉原本店」で食べた台湾まぜそば 小 味玉は、より具だくさんでした。
卓上に酢、ラー油、ニンニクなどがあれば、最初はそのまま味わい、途中で少しずつ加えて変化を楽しむのもよいです。
二郎系:量の多さと、独特のコール
注文の難しさ:
二郎系といえば、太い麺と量の多さ。麺だけでなく、野菜や豚もたっぷりで、ニンニクや背脂も特徴です。
初めての人が戸惑いやすいのが、無料トッピングを伝える「コール」です。[6]
コールでは、変更したい内容だけを伝える
提供直前などにトッピングについて聞かれたら、その店の案内に従って、変更したい内容だけを答えるのが、よくある流れです。聞かれるタイミングや選べるトッピング、答え方は店によって異なります。

滋賀・南草津の「加藤屋にぼ次朗 南草津店」で食べた塩一郎半 野菜マシは、汁なしの二郎系。塩味に大葉と煮干しの味が合わさって、二郎インスパイアの中でもいちばん好きな味でした。
東京・北池袋の「ラーメン 三原色」の豚そばは、比較的さっぱりしたスープで食べやすく、注文のしやすさもよかったところです。
写真を見るとわかる通り、山盛りの野菜や厚いチャーシューで麺やスープがほとんど見えません。
ほかの店で通じたコールが、そのまま使えるとは限りません。量も注文方法も、訪れる店の案内を確認してください。
無理に大きいサイズに挑戦する必要はありません。小さいサイズや麺少なめを選べるなら、自分が食べ切れる量を選びましょう。
ちいかわと二郎系
二郎系の注文文化(コール)は「ちいかわ」にも登場します。作中のラーメン屋は「郎」。[7]
「郎」が登場する公式投稿
ちいかわとハチワレが、ネットカフェで「郎」の攻略サイトを調べる場面。注文のコールなどを予習する様子が、試験勉強のように描かれています。(「予習」が必要だと描写されるくらい、注文が難しいというイメージを持たれているということです。実際は、店舗によるところが大きいですね。)
注文の場面では、緊張して言葉が出ないちいかわを、ハチワレが「こっちもニンニクカラメで」と助けます。ふたりとも無事にラーメンを食べられました。
実際に食べた「ちいかわラーメン 豚」
「郎」をイメージした「ちいかわラーメン 豚」は、期間限定のお店としても展開されてきました。出店場所や営業期間は変わるため、訪問前には公式案内を確認してください。[8]
公式メニューにも、ニンニク、野菜、背脂、カラメのカスタマイズが案内されています。私は名古屋と渋谷の店舗で食べました。[8]
名古屋・栄の「ちいかわラーメン 豚 名古屋」ではラーメン豚 ミニを、東京・渋谷の「ちいかわラーメン 豚 渋谷」では味噌ラーメンを食べました。ちいかわコラボとはいえ、量の多さなどはしっかりと他の店舗に劣らないものです。味は多少マイルドでした。二郎系のデビュー戦にはちょうど良い感じです。
家系・二郎系で覚えておくと便利な言葉
全部普通でお願いします
家系で麺の硬さ、味の濃さ、油の量を聞かれ、特に希望がないときに使えます。
ニンニク
二郎系では、無料トッピングのひとつとして希望を聞かれることがあります。
カラメ
一般に、たれや調味料を足して味を濃くすることです。内容や量、頼み方は店によって異なります。
次に行く店を、麺手帖で探す
麺手帖には、私が各地で食べたラーメンや麺料理の記録をまとめています。
東京で探すなら、秋葉原・末広町周辺で実際に食べた店をまとめた記事もあります。
秋葉原界隈のラーメン18選
気になるラーメンが見つかったら
同じジャンルでも、店が変わると味も見た目も変わります。
気になるラーメンがあれば、実食記録や写真も見てみてください。次に食べに行く店を選ぶ参考になればうれしいです。
参考資料
- 日本政府観光局(JNTO). 日本のラーメンガイド(英語)
- 日本政府観光局(JNTO). Ramen 101(英語)
- 福岡市公式観光ガイド. 福岡の食文化:ラーメン・焼き鳥など(英語)
- 横浜観光情報. 横浜の食とレストラン:家系ラーメン(英語)
- 横浜家系ラーメン つばさ家. メニュー:麺の硬さ・味の濃さ・油の量
- ラーメン豚山. メニュー・注文方法
- ちいかわ公式. キャラクター紹介(英語)
- PARCO CAFE. ちいかわラーメン 豚:池袋PARCOのメニュー
- 北海道公式観光サイト HOKKAIDO LOVE!. 札幌ラーメン横丁(英語)
- 山形県公式観光サイト. 山形のラーメン特集
- なごやめし普及促進協議会. 台湾まぜそば
- 日本政府観光局(JNTO). 山手線沿線・新宿から池袋のラーメン店(英語)
- 家系総本山 吉村家. 公式サイト:現在の所在地(横浜市西区岡野)
















